複数人で通信をするアプリケーションを作るための ライブラリ です。 通信方式を P2P と SFU の 2 種類から選択できます。
npm i @skyway-sdk/room
クライアントアプリケーションは通信を開始するまでに以下のフローをたどります。
1. SkyWay Auth Token を取得(生成)する
2. Room を作成する
メディア通信を行うグループの単位を Room と呼びます。 メディア通信を開始するにはまず Room を作る権限を持った SkyWay Auth Token を用いて Room を作成する必要があります。
3. クライアントが Room に Join して Room の Member となる
4. Stream を Room 内に Publish および Subscribe する
Member が Stream を Publish すると Room 上に Stream の情報である Publication というリソースが生成されます。
他の Member はこの Publication を Subscribe すると Subscription というリソースが Room 上に生成され、Subscription に対応する Stream を受信し、通信を開始できます。
Room ライブラリ の用語、仕様について説明します。
複数の Member が通信するグループの単位です。
それぞれの Member は Room 内にいる他の Member と映像/音声/データの送受信が出来ます。(なお、SFU Room の場合はデータの送受信ができません。)
通信方式を P2P と SFU の 2 種類から選択可能です。
Room は 一意な識別子である ID と、オプショナルな値である Name を持ちます。
ID は Room 作成時に自動的に払い出される値であり、Name はユーザが Channel を作成する際に指定することができる任意の値です。
また、アプリケーション内で重複した Name を指定することはできません。
Member は他のクライアントとの通信を管理するエージェントです。
映像や音声を送信したり、受信したりすることが出来ます。
Member は 一意な識別子である ID と、オプショナルな値である Name を持ちます。
ID は Member 作成時に自動的に払い出される値であり、Name はクライアントが Channel に Join する際に指定することができる任意の値です。
Room 内で重複した Name を指定することはできません。
Room 内で Member が通信する映像/音声/データを Stream と呼びます。
三種類の Stream が存在します。
あるクライアントが用意した Stream を他の Member が受信可能にするために Room 内に公開する操作のことを Publish と呼びます。Stream を Publish すると Room 内に Publication というリソースが生成されます。
他の Member は Publication を Subscribe することで Subscription というリソースを得られて、Stream の受信が開始されます。
Publication を Unpublish すると SkyWay サービス側で関連する Subscription を Unsubscribe して削除します。
あるクライアントが Room に存在する Publication を Subscribe した時に得られるリソースです。Subscription には Stream が含まれており、映像・音声・データの受信が可能です。
Room 内の Subscription のプロパティを確認することで、どの Member がどの Publication を Subscribe しているかを把握することができます。
クライアントの Member が Subscribe していない Subscription の Stream を参照することはできません。Member が Stream を受信するためには必ずその Member が Publication を Subscribe して Subscription を作る必要があります。
Subscription と紐ついている Publication が Unpublish されると Subscription は自動的に Unsubscribe されます。
アプリケーションの設定を行います。
import { SkyWayContext } from '@skyway-sdk/room';
const context = await SkyWayContext.Create(tokenString);
事前に SkyWay Auth Token の取得が必要になります。
SkyWay Auth Token は、仕様に基づいて自身で作成するか、@skyway-sdk/token
ライブラリを使って作成することができます。
@skyway-sdk/token
ライブラリは Node.js サーバとブラウザで動作しますが、SkyWay Auth Token でユーザの行動を認可したい場合は必ずサーバ側で作成して下さい。
import { SkyWayAuthToken } from '@skyway-sdk/token';
const token = new SkyWayAuthToken(parameters);
const tokenString = token.encode('secret');
トークンには Expire が設定されており、期限が切れると SkyWayContext が利用できなくなります。 SkyWayContext はトークンが Expire する前に onTokenUpdateReminder イベントが発火するので、そのタイミングで updateAuthToken メソッドで新しいトークンに更新すると SkyWayContext を続けて利用することができます。
context.onTokenUpdateReminder.add(() => {
context.updateAuthToken(tokenString);
});
Member の参加する Room の作成/取得を行います。
新しい Room を作成します。
import { SkyWayContext, SkyWayRoom } from '@skyway-sdk/room';
const context = await SkyWayContext.Create(tokenString);
const room = await SkyWayRoom.Create(context, {
type: 'p2p',
name: 'something',
});
Room 作成時に、RoomType を指定する必要があります。
p2p
もしくは sfu
Room 作成時に、任意の RoomName を指定することができます。
既存の Room を取得します。
import { SkyWayContext, SkyWayRoom } from '@skyway-sdk/room';
const context = await SkyWayContext.Create(tokenString);
const room = await SkyWayRoom.Find(context, { id: 'roomId' }, roomType);
// or
const room = await SkyWayRoom.Find(context, { name: 'roomName' }, roomType);
id か name を使って Room を探すことができます。
任意の Room の取得を試みて、存在しなければ作成します。
import { SkyWayContext, SkyWayRoom } from '@skyway-sdk/room';
const context = await SkyWayContext.Create(tokenString);
const room = await SkyWayRoom.FindOrCreate(context, {
type: 'sfu',
name: 'channelName',
});
Room には P2PRoom と SfuRoom の 2 種類が存在します。 API は P2PRoom と SfuRoom で共通しています。
const member: LocalRoomMember = await room.join({
name: 'something',
metadata: 'something',
});
Room に参加すると LocalRoomMember インスタンスを取得できます。
追加時にname
とmetadata
の設定が可能です。(optional)
name
は Room 内の他の Member と重複することはできません。
一つの Room で join を複数回実行して複数の LocalRoomMember を取得することはできません。
Room の情報は Room インスタンスのプロパティから取得することができます。
詳しくは API リファレンスを参照してください。 https://javascript-sdk.api-reference.skyway.ntt.com/room/interfaces/Room.html
Room で発生するイベントは Room インスタンスの on から始まるイベントプロパティで通知されます。
詳しくは API リファレンスを参照してください。 https://javascript-sdk.api-reference.skyway.ntt.com/room/interfaces/Room.html
Stream の Publish、Subscribe などを行うことが出来ます。
LocalRoomMember の情報は LocalRoomMember インスタンスのプロパティから取得することができます。
詳しくは API リファレンスを参照してください。 https://javascript-sdk.api-reference.skyway.ntt.com/room/interfaces/LocalRoomMember.html
LocalRoomMember で発生するイベントは LocalRoomMember インスタンスの on から始まるイベントプロパティで通知されます。
詳しくは API リファレンスを参照してください。 https://javascript-sdk.api-reference.skyway.ntt.com/room/interfaces/LocalRoomMember.html
Room に Stream を Publish することができます。
import { SkyWayStreamFactory } from '@skyway-sdk/room';
...
const video = await SkyWayStreamFactory.createCameraVideoStream();
const publication = await member.publish(video,options);
Room の種類によって Publish 時に指定できる Option が異なります。
interface Option {
metadata?: string | undefined;
codecCapabilities?: Codec[];
encodings?: EncodingParameters[];
}
interface Option {
metadata?: string | undefined;
codecCapabilities?: Codec[];
encodings?: EncodingParameters[];
maxSubscribers?: number;
}
maxSubscribers では Publish した Stream を Subscribe できる数の上限値を指定できます。指定しない場合、maxSubscribers には 10 がセットされます。 maxSubscribers の最大値は 99 です。
VideoStream を Publish する際に複数のエンコード設定を指定することで、受信側クライアントデバイスが通信品質に合わせて自動的に最適なエンコード設定の映像を受け取る機能を利用できます。
const video = await SkyWayStreamFactory.createCameraVideoStream();
const publication = await member.publish(video, {
encodings: [
// 複数のパラメータをセットする
{ maxBitrate: 10_000, scaleResolutionDownBy: 8 },
{ maxBitrate: 680_000, scaleResolutionDownBy: 1 },
],
});
エンコード設定を行う際に ID を指定することで受信する映像品質の設定を指定できるようになります。
await member.publish(stream, {
encodings: [
{ maxBitrate: 2000_000, id: 'a' },
{ maxBitrate: 10_000, id: 'b' },
],
});
受信する映像品質設定の指定方法は「Stream の Subscribe」と「Subscription」のセクションに記載されています。
メディア通信の際に優先して利用するコーデックを指定することができます。
サンプルコード
const video = await SkyWayStreamFactory.createCameraVideoStream();
await localMember.publish(video, {
codecCapabilities: [{ mimeType: 'video/av1' }, { mimeType: 'video/h264' }],
});
const audio = await SkyWayStreamFactory.createMicrophoneAudioStream();
await localMember.publish(audio, {
codecCapabilities: [{ mimeType: 'audio/red' }],
});
codecCapabilities 配列の先頭のコーデックを優先して利用します。 デバイスが先頭のコーデックに対応していない場合は後ろのコーデックを利用します。 どのコーデックにも対応していない場合はデバイスが対応している他のコーデックを自動的に利用します。
SFURoom を利用する際にコーデックを指定する場合はアプリケーションがサポートする対象のデバイスすべてで使えるコーデックを指定する必要があります。
Room 上の Stream の Publication を Unpublish することができます。 関連する Subscription が自動的に Unsubscribe されます。
await member.unpublish(publication.id);
Room 上の Stream の Publication を Subscribe することができます。
const { subscription, stream } = await member.subscribe(publication.id);
※ SFU Room で Publication が Simulcast の設定を行っている場合にこの機能を利用できます。
await member.subscribe(publication.id, { preferredEncodingId: 'b' });
preferredEncodingId
に受信する映像品質設定の ID を指定することができます。
映像を受信開始した時点で指定された品質の映像が SFU から送信されます。
クライアント端末の通信帯域が輻輳を起こしている場合、高い品質の映像設定を指定していても SFU からは輻輳を解消するために低い品質の映像が送信されます。
Subscribe している Stream の Subscription を Unsubscribe することができます。
await member.unsubscribe(subscription.id);
Member に紐付いた Metadata を更新することができます
await member.updateMetadata('metadata');
LocalStream と RemoteStream の2種類の Stream が存在します。
LocalStream は SkyWayStreamFactory で取得でき、Channel に Publish することができます。
RemoteStream は Publication を Subscribe することで取得できます。
LocalStream の通信状態を取得することができます。
// その時点の状態を取得
const state: TransportConnectionState =
localStream.getConnectionState(subscriberMember);
// メディア通信の状態が変化した時に発火するイベント
localStream.onConnectionStateChanged.add(({ state, remoteMember }) => {
// remoteMemberは通信相手のこと
});
RemoteStream の通信状態を取得することができます。
// その時点の状態を取得
const state: TransportConnectionState = remoteStream.getConnectionState();
// メディア通信の状態が変化した時に発火するイベント
remoteStream.onConnectionStateChanged.add((state) => {});
各種 Stream の取得が出来ます。
const audio = await SkyWayStreamFactory.createMicrophoneAudioStream(options);
const video = await SkyWayStreamFactory.createCameraVideoStream(options);
※SFU Room では使用できません。
const data = await SkyWayStreamFactory.createDataStream();
任意の MediaStreamTrack から Stream を作成することが出来ます。
const displayStream = await navigator.mediaDevices.getDisplayMedia();
const [displayTrack] = displayStream.getVideoTracks();
const stream = new LocalVideoStream(displayTrack);
const [audioTrack] = (
await navigator.mediaDevices.getUserMedia({ audio: true })
).getTracks();
const stream = new LocalAudioStream(audioTrack);
SkyWay の Stream を Html で再生する方法が 2 種類あります。
HtmlAudioElement / HtmlVideoElement に Stream を適用することが出来ます。
const localVideo = document.getElementById(
'js-local-stream'
) as HTMLVideoElement;
localVideo.muted = true;
localVideo.playsInline = true;
// 適用する
skywayStream.attach(localVideo);
await localVideo.play();
MediaStream を作成して使うことが出来ます。
const stream = new MediaStream([
// MediaStreamTrackにアクセスできる
skywayStream.track,
]);
※SFU Room では使用できません。
任意のデータの送受信ができます
データの送信
const data: LocalDataStream = await SkyWayStreamFactory.createDataStream();
data.write('hello');
データの受信
const { stream } = await person.subscribe<RemoteDataStream>(publication.id);
stream.onData.add((data) => {
console.log(data);
});
Publication の情報の参照と Publication の操作ができます
Publication に紐付いた Metadata を更新することができます
await publication.updateMetadata('metadata');
Publication に紐ついた映像や音声などの配信の一時停止と再開をすることができます
一時停止
await publication.disable();
利用の再開
await publication.enable();
Subscription の情報の参照と Subscription の操作ができます
Subscription から映像/音声/データの Stream を参照できます。 ローカルで Subscribe している Subscription でなければ undefined となります
const stream = subscription.stream;
if (stream.contentType === 'data') {
stream.onData.add((data) => {
console.log(data);
});
} else {
const track = stream.track;
}
※ SFU Room で Publication が Simulcast の設定を行っている場合にこの機能を利用できます。
subscription.changePreferredEncoding(id);
Publication を subscribe して subscription を入手し、映像の受信を開始した後に任意のタイミングで受信する映像品質設定を変更することができます。
クライアント端末の通信帯域が輻輳を起こしている場合、高い品質の映像設定を指定しても SFU からは低い品質の映像が送信されます。
Token の members scope を次のように設定することで、リモートの Member に任意の Publication を Subscribe させたり Unsubscribe させることができます。
const members = [
{
id: '*',
name: '*',
actions: ['write'],
publication: {
actions: ['write'],
},
subscription: {
actions: ['write'],
},
},
];
サンプルコード
//...
const localMember: LocalRoomMember = await room.join({ name: 'alice' });
const video = await SkyWayStreamFactory.createCameraVideoStream();
const publication = await localMember.publish(video);
const remoteMember = room.members.find((member) => member.name === 'bob');
const remoteSubscription = await remoteMember.subscribe(publication);
リモートのメンバーの Subscription の stream を参照することはできません(stream プロパティの中身は常に undefined になります)